■ 会社法の概要 ■

(1) 株式会社と有限会社を統合して、会社類型を株式会社に一本化

    会社法では、定款自治の範囲が拡大されました。
    定款には、事業目的や組織など、会社経営の基本的ルールが定められ
    ています。
    自治の拡大とは、会社が決めるルールにつき幅ができたということです。

    会社法では、従来の有限会社を会社類型の基本としています。
    有限会社が基本となることから、いわゆる株式譲渡制限会社(世の中の
    ほとんどの中小企業)の場合、次のようなことができるようになります。

    1、現在3名以上必要な取締役を1名、2名とすること。
    2、監査役を置かないこと。
    3、取締役の任期を2年から最長10年に、監査役の任期を4年から最長
      10年にすること。
    4、取締役会を置かないこと。
    
    現行の定款を変更することで、上記のようなことが可能となったわけです。

(2) 会社設立しやすくなった

    最低資本金の制限がなくなりました。
    類似商号の規制がなくなりました。
    事業目的の表現の自由度合いが高まりました。
    設立登記申請に必要な、払込金保管証明書の発行を銀行に頼むことなく
    設立することもできるようになりました。
    
    以上が主な新制度で、従来、株式会社を設立するには、資本金が最低10
    00万円必要だったのですから、大きな規制緩和です。
    
(3) 既に設立されている有限会社は、どうなるのか
    
    結論からいってどうもならず、なんだ特別な手続きをすることなく、いままで
    通りに事業を行えます。
    
    株式会社に統合されたからといって、商号が株式会社となるわけではなく、
    いままで通り有限会社のままです。なお、法律用語では、「特例有限会社」
    と呼ばれます。

    従来の有限会社特有の規律を維持しつつ、株式会社に統合されるので、
    登記簿の記載内容が、法務局の職権(自動的)によって変更されます。
    一部の例外を除き、
会社側から登記申請する必要はありません
    
    株式会社扱いされるので、「社員総会」と呼んでいたものが、「株主総会」と
    呼ばれたり、用語の変更がいくつかあります。

    用語の変更等があることにより、有限会社のときに作成した「定款」と内容が
    一致しなくなりますが、整備法という親切な法律が会社法とともに施行され、
    社員総会を開いて、定款変更決議をすることなく、新しい用語で定款に書か
    れていることと、みなしてくれます。(これを、みなし規定と言います)

    なお、会社は、株主や債権者からの定款の閲覧・謄写請求に対応するため
    に、みなし規定より定款に定めがあるものとみなされた事項を明らかにした
   
    書面を用意するか定款全体を修正するか、どちらかの対策をとる必要があり
    ます。


(4) 有限会社から株式会社に移行できるのか

    会社法では、資本金の最低額の制限がありませんし、役員の人数の制限も
    ありません。
    だから、この機会に株式会社を名乗りたい有限会社は、いままでのように資
    本金を1000万円にとか、取締役を増やしたりとか、そういうことを考えること
    なく株式会社になれます。

    ただ一旦、株式会社になると、従来の有限会社特有の制度は適用されなくな
    ります。例えば、有限会社の役員に任期はありませんが、株式会社では、最
    低でも、10年に1回は、役員変更登記が必要になるといったことにもなります。

(5) 既に設立されているいわゆる「1円会社」はどうなるのか

    1円会社(確認有限会社・確認株式会社)は、設立後5年以内に、資本金を30
    0万円、あるいは1000万円に増資する必要がありました。
    しかし、最低資本金の規制が撤廃さてたことにより、増資しなくてもよくなりまし
    た。

    ただし、登記簿に「解散の事由」として、増資しない場合は解散する旨記載され
    ていますから、
会社側から申請して「解散の事由」廃止の登記が必要になりま
    す。
    法務局が職権で登記してくれるわけでは、ないので、会社法施行後、忘れない
    うちに早めに登記申請しておくほうがよいでしょう.
    登記申請できるのは、5月1日以降で、会社設立日から5年以内です。
    なお、経済産業局への各種届出義務も、会社法施行後は不要となります。
    ただし、施行日前に発生した届出事項は、届出が必要ですのご注意ください。


(6) 公開会社と非公開会社(公開していない会社)とは

    会社法では、株式会社の類型を、公開会社と非公開会社に分けています。
    この二つの違いは、上場している・していない、あるいは、資本金の大きさ
    による区別ではありません。
    株式の譲渡制限の規定がすべての株式に設定されている会社(ほとんど 
    の中小企業がこちらになります)が非公開会社と呼ばれます。
    それ以外の会社が公開会社ということになります。

    非公開会社は、定款に定めることにより、はじめのほうにも触れたような
    役員の任期や員数の規制が緩和されることになります。

    資本金は1000万円だけど、公開会社にあてはまる会社の監査役は、
    会社法施行日に退任することになるので、ご注意ください。
    詳しくは、こちらのファイルを hikokai.pdf


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